TSUTAYA DISCASのDVDレンタル定額プランで、『モネ・ゲーム』(2013年公開)を観ました。
画像:映画.comより
3年くらい前に公開された映画なんですが、DISCASの定額レンタルの旧作借り放題を利用してレンタルしましたよ。
『モネ・ゲーム』の“モネ”ってのは、ご存知フランスの印象派を代表する画家の“クロード・モネ”のことなんですが。
この作品は、そのモネの名画を巡るコン・ゲーム(詐欺)を描いた米英合作の映画なんですね。
1966年に公開された『泥棒貴族』という映画のリメイクとされていますが、内容はかなり違ってます。
ロンドンに住む主人公のハリー(コリン・ファース)は、大富豪のシャバンダー(アラン・リックマン)の元でキュレーター(美術品の鑑定・管理や購入の際の助言等をする職員)として働いてるんですが。
いかにも金持ちにありそうなシャバンダーの傲慢で無礼な人扱いに嫌気がさして、仕事を辞めようと決心します。
とはいえただ辞めるのでは腹が収まらないので、最後にシャバンダーから退職金代わりに大金をまきあげることに。
そこで目をつけたのがシャバンダーがオークションで落札して手に入れた、モネの「積み藁」の「夜明け」という絵なんですが。
これは「積み藁」の「夕暮れ」という絵と対になっており、現在「夕暮れ」のほうは所在が不明となってまして。
片方の「夜明け」を手に入れたシャバンダーは、以前からもう片方の「夕暮れ」を探し求めてたんですね。
そんな事情を知るハリーは、その「夕暮れ」を餌にしてシャバンダーを騙す作戦をたてました。
ハリーが少佐と呼ぶ贋作が趣味の友人に偽の「夕暮れ」を用意してもらって、まず一緒に向かった先はアメリカのテキサス。
そこで会って協力を依頼したのが、カウガールのP.J.ブズナウスキー(キャメロン・ディアス)です。
彼女は、かつてナチの部隊にいたブズナウスキーの孫娘にあたるんですが。
つまりハリーのたてた、詐欺の筋書きはこうです。
ネット上で目にしたP.J.の写真の中に、あの「夕暮れ」の絵が一緒に写っているのを偶然ハリーが発見。
そして「夕暮れ」は大戦中にナチの部隊によって略奪され、その部隊にブズナウスキーがいたという事実を確認。
となるとブズナウスキーの孫娘にあたるP.J.が、その「夕暮れ」を所有しているというのも自然。
そこでその「夕暮れ」は本物に間違い無いと、ハリーがシャバンダーに進言して。
シャバンダーは大金を払って偽の「夕暮れ」を買い、その金をハリーと少佐とP.J.とで山分けして大成功と。
そんなハッピーエンドを想像して、P.J.に話を持ちかける前からニンマリするハリーなんですが。
実際に行動に移してみると、これがナカナカうまくいかないんですよね。
作戦を成功に導こうと奮闘するハリーと、大金をもらえるならと軽いノリで協力するP.J.。
いろいろスッタモンダありながら、最後にはどんでん返しもあるコメディー映画になってますよ。
最終的なオチはやっぱりねと思うような軽いトリックなんですが、それはそれとして欧風の軽妙な笑いが楽しめて良かったです。
アメリカ風のドタバタお馬鹿コメディーでガハガハ笑うのもいいですが、こういうクスクス静かに笑えるコメディーも好きですね。
最近では「キングスマン」でベテラン諜報員を演じたコリン・ファースの、真面目な顔して笑いを誘うところが面白くて。
それから近頃スクリーンでは見かけないキャメロン・ディアスも、セクシーでコミカルな演技が好印象ですが。
何より必見なのが、「ハリー・ポッター」でスネイプ先生を演じたアラン・リックマン。
惜しくも今年の始めに亡くなりましたが、この映画では嫌味な大富豪を好演しています。
その彼が最後の最後にオイシイ所を持ってってますので、ラストシーンまで決して目を放さないように。
ちなみにモネは「積み藁」を連作で何枚も残してますが、対になった「夜明け」と「夕暮れ」の絵というのは実在しないので念のため。